<八雲塗の伝統を支える職人たち>
八雲塗伝統継承絵師 佐々木恵美子
職歴 30年
他、三名が八雲塗の伝統を継承中。
<他の産地では成し得ない独特の製作工程>
― 絵付の工程の部 ―
八雲塗は、他の産地と違い、色粉と漆を混ぜ合わせて、様々な色漆を
つくり、それを用いて、文様を華麗に描く。
中塗を施した木地を砥ぎすえ(中砥)、胡粉で輪郭をとった図案を
転写する。
赤の色漆を用いて、花びらのの中心から、牡丹の花が開く様に描いて
いく。
花芯の施す螺鈿青貝と銀粉を蒔く粉筒。黒漆で描いた牡丹の花びらに
銀粉を蒔いていく。
絵付けの完成。
八雲塗の伝統的な絵柄は、島根県花であり、「富貴な花」と言われる
「牡丹」、松江市花であり、美の象徴の「椿」、全国的に有名な宍道湖
の夕景がある。
その他、お茶の流れを汲んだ「おもと」や「秋草」、島根らしい絵柄の
「兎」、「銅鐸」、出雲大社本殿の天井に描かれた彩雲をモチーフ とした「瑞雲」などがある。